この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば
この世は自分(道長)のためにあるようなものだ 望月(満月)のように 何も足りないものはない
藤原道長
本当か?本当なのか?本当に足りないものはないのか?
何も足りないものはないって言っている時点で足りていないのではなかろうか。
道長は天皇の元へ自分の娘を女御として入内させ、皇后とした。
富を得て、名声を得て、権力を得た。恐らく、うるさく言う者も周りにいなくなっただろうしやれば何でも出来たのであろう。
ただ、本当に満月なのかね。物理的な富がすべてではないですぞよ。
満月ではなく、少し欠けた状態の月のほうが風情があるのではなかろうか。
ごめん、憶測です。私はそこまで富を得てはいないので嫉妬なのか?と言われればそうなのかもしれません。
でも、心じゃないのですかね?人生。知足じゃないのですかね?人生。
心の寂しさと向き合って、孤独という魔物と向き合う。人間皆孤独。
それを考えるとどんな人であったとしても、何かが欠けているものだと思うんだけれども・・・。
ただし、その欠けた部分こそが美しかったり、趣深かったりするもの。
冬という寂しい季節になるとしみじみとそう思う。
足るを知り、己を知り、程度を知る。
ここに人生の幸せのヒントが隠れているように思えてならない今日この頃。